王子様の溺愛カメラマン
「…お前そのボーリングで何してきたんだっけ?」


「あ?ボーリング代金を賭けて二人で勝負したんだよ」



全5ゲーム。


Maxでスコア180を叩き出した俺のボーリングさばきは圧巻だった。


18ポンドの剛球に豪快にぶっ飛ぶピン。



なんでもそうだけど…

圧勝するってのは最高に気持ち良い。



一方のエマは7ポンドのジュニア用のボールで、最高スコアだって100にも満たず…


あいつ見た目によらず運動音痴だったな。






亮太は頭を抱えてため息をついた。


「おめぇバカか?彼女相手になに本気で勝負してんだ?」



「は…?」


亮太の言葉に今度は俺は顔をしかめた。


「逆に本気じゃねぇ勝負なんてしてどうすんだよ」


人生も勝負も妥協したらそこで終わりだ。


本気でぶつかり合うからそこから何かが生まれるんだろ?




「お前…それ本気で言ってる?」


「俺は常にマジな男だ、亮太クン」



ちなみにゲーム代金も全額きっちりエマに払わせた。


それが日向式ルールだからな。




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