王子様の溺愛カメラマン
日向の決意
『俺は基本的に自分優先しちゃうからな』




あの日、日向くんは確かにそう言った。




『彼女に時間さくぐらいなら
金貯めてどっか行きたいって思っちゃからさ』



だから、覚悟はしていた。




だけど分かってても…

最近の私の頭の中は日向くんでいっぱいで。






「あ―いう男は追う程ドンドン辛くなるだけだよ」


「ミ、ミキィ…」


わかってる。

わかってるけどさぁ…



「でもエマはよく我慢してるよ」


休み時間の教室で

頭を机に伏せてる私の頭をミキはヨシヨシしてくれた。


「私だったらボーリングで全額払わされた時点で逆キレしちゃうわ」


「ボーリング……」




そうそう

あの日は楽しかったなぁ…


ミキに話したら信じられないって言われたけど。


でも私は正直賭けのことは、そんなに何とも思わなかった…


むしろ手加減もハンデもしてくれないのが、日向くんらしくて。


なんだか可愛く感じたんだけどなぁ…




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