王子様の溺愛カメラマン
パパとママの過去
家に帰ると私はベッドに伏せて泣き崩れた。


硬く目をつむっても
耳にこだまする声だけは呪縛のように離れない…




『撮影って…
どのくらいかかるの?』


『短くて半年
……長くて一年かな』


『い…いつから行くの?』


『冬休み入ったらすぐ』


『じゃあ……
X'masはいないんだね』


『………』





バカ日向…

大バカ日向……!!


なんで全部決定事項なの?

私って日向くんにとってそんなにどうでも良い存在なのかな?







『俺は北山さんに付いて行くつもりでいる』





「っわぁぁ…ん!」


滝のように溢れる涙は枯れることをまるで知らない。


がんばってオシャレして薄くつけたマスカラが、涙に混じって枕を汚した。


せっかくの日向くんに会えたのに…

すごく楽しみにしてたのに。







日向くんの………バカ。





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