王子様の溺愛カメラマン

「エマは日向くんの心とちゃんと向き合ったの？」


「…………」


「エマが逃げてしまったら、日向くんの本当の心はもう見えなくなるかもしれないわよ？」



ママはそう言うと私の頭を優しく撫でた。



「信じることって難しいけど…最近のエマはすごく幸せそうでママは嬉しかったのよ」


「ママ…」


「日向くんのこと、本当に諦めちゃっていいの？」


「………」





日向くんを諦める……





考えただけでまた涙がぶわっと溢れてきた。


そんな私をママは笑った。


「日向くんが居ない間はエマも頑張らなきゃね？」


「………え？」


「まだまだこういうのは先かも知れないけど…
いいお嫁さんになれるようにママとお料理を勉強しましょうね」


「……！」



ママの優しさに、心がほぐされていくようだった。





「ママ～～！」





ママってどうしてこんなに大きくて心強いんだろう…


ママの胸に飛び込んで泣く私にママはずっと背中を撫でてくれていた。