王子様の溺愛カメラマン
日向くんはう~んと体を伸ばすと、私を見下ろした。





「んじゃ、行くか!星空見に!」


「…………へ?!」


「竹富島に来たら星空は見なきゃダメだろ」


「………」




星空???

今から…???

また出かけるの??





日向くんの言葉に私は口があんぐり状態。



しかし日向くんは強制的に私を宿から連れ出すと、レンタル自転車にまたがりながら私を振り返った。


「エマ疲れただろ?俺がこいでやるから後ろ乗れよ」


「は…はぁ…」


「んなイヤそうな顔すんなよ。良いもん見せてやるからさ」


「…………」





顔に出てましたか。

いや、出るでしょそりゃ。




だって私もう
ルームウェアなんだよ?



それに…

せっかく丁寧に綺麗にした体がぁ…





「は~や~く乗れって、エマ!」


「………」


私は渋々、日向くんの後ろにまたがった。




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