王子様の溺愛カメラマン
真由美は呆れた目で俺を見た。


「そういうのを一目惚れってゆーんじゃないの?」


「……はぁ?」


「絶対そうだって!自覚しろよ」


亮太はにやにやして俺の肩をつついた。



一目惚れ…??

この俺が??

んな訳あるか!




「意識してちゃんとエマちゃん見てみろよ?恋の経験も大切だぜ?」


なんだか上から目線の亮太がむかつく。


しかしそんな亮太に乗っかるように真由美も手を叩いた。


「てか今日うちらでエマちゃんの高校行ってみようよ」


「はぁ?何でだよ!」


「だって楽しそうじゃん。今日は日向バイトない日でしょ?」


「バイトはないけど…」


「じゃあ決っまりー!」


真由美と亮太はパチンと片手を合わせた。


こいつら…絶対楽しんでやがる。


そして強制的に放課後、俺たちは三人でエマの高校へ行くことになったのだった。


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