仮病に口止め料
きつく寄った眉頭は習字を覚えたての小学生が気合いを入れて書き始めた一画目ばりに雄々しく、
彼女の甘ったるい顔も今はちょっと苦そうだ。
それが風邪のせいなのかがっついたキス関連のせいなのかと聞かれたなら、明らかに後者であろう。
触るなとばかりに無言の圧力でガードをかためるお姫様は、お城のてっぺんに引きこもるどころか、
このままだと夢がない平成の国に逃げ出してしまいそうだ。
もしかすると下唇を噛んでやったのが嫌だったのかもしれない。
あれが? あの程度で乙女心はズッタズタなのだろうか。
初恋まっしぐら複雑な女子のハートなんて、妄想が取り柄の俺には到底分からない。
カラコンをしている癖にスッピンだと言い張るくらい謎だ。