仮病に口止め料

付き合って約半年も経つのに、最初と変わらずなあなあにせずときめいてあげられる洋平君ってば、

学生社会で考えると絶対に百点ハナマル良き彼氏だと思う。


そう、ラブラブ熱々カップル登校はマドカ高校に通う生徒の夢物語だとされる中、

現実の世界でちゃっかり叶えられている(恵まれちゃってる)のが俺というお茶目な少年だ。


団体行動はダサいと大人たちが笑うけれど、思春期くらいしかベッタベタにつるめないから、

俺はあえてナルシストな男友達や自己アピールが得意な女友達とグループになり、束で固まることを好む節がある。

だって馬鹿馬鹿しくて最高に青春らしい光景じゃないか、それを咎めるのはあんまりオシャレではない。


さて、そんな絆めいた清々しさはこんな暑さにむさ苦しいため、

ここは爽やか癒し機能を秘めた恋人がベターだ。

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