白いジャージ7 ~先生とプールサイド~
「誤解しないでください」
「何?彼氏のこと?」
冷たい声しか出ない。
本当はいつもの優しい俺でいたいのに。
「彼氏じゃないんです。たまたま電車で会ったから一緒に帰っていただけで」
「別にいいよ。俺、関係ないし」
関係ないとか言って。
めちゃめちゃ関係あるのに。
「泣かなくていいって」
大きな瞳からこぼれる大粒の涙。
漫画みたいなキラキラした涙。
「わかったから。彼氏じゃないんだろ?」
「はい・・・・・・」
もしもふたりきりだったら、抱きしめていたかもしれない。
俺は手を伸ばし、あの子の鞄をポンと叩く。