白いジャージ7 ~先生とプールサイド~
「良かったぁ・・・・・・」
また泣く。
泣き虫。
泣き虫だな、まったく。
かわいいんだから。
「泣くなよ。化粧落ちるよ」
「あ、はい・・・・・・!!」
マスカラが落ちないように、そっと涙を拭く。
化粧しなくていいのにな。
ナチュラルメイクだったらもっとかわいいのに。
「学校頑張って」
俺がそう言うと、またキラキラと瞳を輝かせて、頷いた。
「はい!!要さんもお疲れ様です!!」
電車から降りたあの子は、俺に向かって手を振った。
周りにいた友達も飛び跳ねながら俺に手を振った。
次に会った時に、言ってみよう。
「俺、ナチュラルメイクが好きだな」って。
誤解だった。
彼氏じゃなかった。
まだ何も知らないあの子に、俺の心は完全に奪われた。