子宮にピストル
どうしようもなく涙が出そうになって、どうしようもなく、腹が立った。

ドロドロに溶け出した汚い感情を隠すように、唇を噛締めて俯きながら診察室を出る。


唇からは、血が滲んでいた。


産婦人科独特の匂い、空気、そして患者。その全てが、私にとっては『毒』に思えてしまう。


ドクン、ドクン、


目を瞑りたかった
鼻を塞ぎたかった
耳を千切りたかった
脳を停止させたかった


このまま、消えて無くなりたくなった。


私には
『子供を作る』能力が無い
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