forget-me-not







『これになら、書いてあるかな…?』

「また、UFO、ですか?」


私と新戸くんは神妙にそう言って、顔を合わせる。




『…うん』


僅かな期待を胸にその堅い表紙を開いた。



(…だって、また会いに来るって)




『ゆったんだもん』


慎重に内容を捜索する私を横から見守る新戸くんは、

いつも温かい。




「彼は、そう言ったんですもんね」

『うん』



(…もう、10年も前のことだけど)



「帰ってくると、いいですね!」

『信じて、くれてたの?』

「…もちろんですよ」


ニッコリ。

こんなおかしな私を見捨てない新戸くん。

ほら、いつだってこんな風に大きな瞳を輝かせて微笑う。




『…ありがとう』


優しすぎて、頭が上がらないや。







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