もう会えない君。
「は、隼…」
「ん?どうした?」
「撤回する」
「…え、何を?」
「好きな人は皐じゃないの」
「えっ?違うの?」
「一回しか言わないから…」
「うん?」
「聞いてくれ、る?」
「俺で良ければ聞くよ?」
「………好きっ」
「……え?」
「私、鈴木凛は酒井隼の事が好きですっ!」
声を張り上げて伝えた、初めての告白。
場所も選ばずに少しでも早く伝えたくて。
立ち止まる生徒達。
振り返る姿が目に浮かぶ。
恥ずかしいっていう感情よりも想いを伝えた後の達成感は心地良いものだった。
答えは分かってる。
駄目だって事くらい…分かってる。
でも、どうしても君に伝えたかったんだ。