もう会えない君。
相変わらず女友達が出来ない私は悠と隼だけとしか口を利かなかった。
他の人から声を掛けられても素っ気ない態度でしか、反応しない。
だって私に近付いて来るのは悠か、隼を目的としてる女の子の方が多いから。
…あの手紙を書いた人がこの中に居るかもしれないのに仲良くなんて出来ない。
「隼もこっち来いよ~」
悠が欠伸をしながら隼に手招きをした。
隼はいつものように女の子の間を掻き分けて私と悠の居る所に来て、窓際に腰を下ろした。
「相変わらず、人気者だね」
私が窓際に居る隼に視線を移すと隼は鼻で笑った。
「別に人気じゃねーよ?」
そして言葉を紡いだ。
いや…
あれは何処からどう見ても人気でしょ。
「人気だよ」
「いや、人気じゃないって」
些細な事から言い合いが始まる。
…だけど喧嘩するって程じゃない。
むしろ単なるじゃれ合いのような感覚。
言葉もキツくないし、最終的に隼が負けを認める。
悠はいつも私と隼がじゃれ合うのを見て笑ってた。
だから私と隼も顔を見合わせて互いに笑みを浮かべる。