チューリップの王子様

そして、なんとなく逃げて来たのは中庭…

意味もなくトボトボと歩く


「はぁ…」


妬き持ち焼く資格なんてないのに

私が抱いたこの気持ちは、許されない気持ちなのに


キスだって…
グレイ様の気まぐれでしかないのに

何の意味も持たないのに…


分かってるのに…
苦しいよ…


「わふっ!」
「ワンッ!」


ため息を吐いていると、背後から2匹の鳴き声が聞こえた

振り返ると、自分の餌入れを持ちお座りして尻尾を振っているワンちゃん2匹

レンガとリンゴだった


「あ…ごめんね!忘れてた」


急いでポケットに入れていた2匹の餌を取り出す

そして、2匹それぞれの餌箱に入れてあげた

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