チューリップの王子様

「グーレーイー!おはよー!」

「やめろ!離れろっ!」


いつの間に来たのか、スミレ様がグレイ様に抱きつきながら、グレイ様の頬にキスをしている

しかも、何回も…


「あ…カノンさん」


ボーッと眺めていると、扉の近くにいたレインさんが私の存在に気づいた

そんなレインさんに、私はカートを渡す

そして、無理矢理笑顔を作る


「取り込み中みたいですね。これ、お願いできますか?」

「あの、カノンさん…」


レインさんが何かを言いかけたが、私はその場から逃げるように立ち去った

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