チューリップの王子様

「でも、ちゃんと俺の所に戻ってくるんだよ?」

「それは、もちろんです。私はグレイ様のメイドですから」


なぜか、少し不安そうな顔をしたグレイ様に笑顔で答える


「ん。わかってるならいい。カノンはいい子だね」


私の答えに満足したらしく、言いながら私の頭を撫でてきた

小さい子に言うみたいに、言われるのはなんか嫌だったけど、撫でられるのは嫌じゃない


それにしても…

ここに来たときは、今の状況が信じられないくらい人間不信だったのに…

撫でられるのが嫌じゃないなんて

人間不信だった私をここまで変化させるんだもの

本当、グレイ様ってすごいなぁ…

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