Strawberry & Happy Birthday
『じゃが、すみれも、わしに反発することが多かったがの。それに、わしはやっぱりすみれに対しても何も出来なかった』
「そんなことありませんよ。今のすみれがあるのは尊さんが彼女をずっと見守ってきたおかげです。
意地っ張りで素直じゃないだけで、すみれはちゃんと、尊さんのことを大切に思ってますし、感謝していますよ。
だからそんなに自分を責めないで下さい」
『……ありがとう、有くん。すみれと出会ったのが有くんで本当によかった。安心してまかせられるよ』
「えぇ。俺は絶対、すみれを手離したりはしませんから」
一人にはしない。
あいつが勝手にいなくなろうとも必ず戻って来させる。
3月31日、あいつが、あんなにも自分の誕生日を避ける理由がよくわかった。
きっとあいつは自分は祝われちゃいけないとか思ってんだろうな。
長倉の時のように。
全部自分のせいにして。
一人で背負い込んでる。
あいつの悪い癖だ。