Strawberry & Happy Birthday
「あぁ。聞くよ」
「私、課長に謝らなきゃいけないんです…。
課長の昇進のこと…ホントは私が一番に喜ばなきゃいけないはずなのに。一番におめでとうって言わなきゃいけないはずだったのに…!」
「なんだ、そんなことか…。別に祝いの言葉なんていつ言っても―」
「ち、違うんです!私、その…最低なんです…!
ホントは喜ばなきゃいけないのに、私…。私……課長に昇進してほしくないって思ってるんです…!
課長が、他の部署に行くなんて…嫌なんです!」
課長があんなやつと仕事なんてしてほしくなかった。
心から。
昇進の話、断ってほしかった。
あいつと一緒に仕事なんかしたらいつあいつの毒針に刺されるかわからない…!
そんなことになるくらいなら、ずっと同じ部署で一緒に仕事していたい…っ。