パラレルライン



あたしが袋の中を覗いたままボーッとしてると、

龍太郎は再びあたしからコンビニ袋を奪い取った。


「あれっ!?もしかして気に入らなかった!?やっぱガリガリ君は安すぎた!?ハーゲンダッツがよかった!?」

必死な顔の龍太郎。

あたしとコンビニ袋の中を交互に見ている。



「ぷっ…」


その光景が面白すぎて、口から思わず笑いが漏れた。


「なに…が……可笑しいんだよ……」

頭の上にハテナを浮かべる龍太郎。

あはは。

やばい、つぼった……


「はははっ……いーよ、ガリガリ君でも……つかそこ焦るポイント?はは…」

「なんだよびびったー!」


静寂に包まれた夜。

あたしの笑い声が響く。





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