何千年の夏休み


兄と違って私は嫌われ者だし、親戚に引き取ってもらうことはできない。



『あんたが…あんたが居るから悪いのよ!!』


…あんたがって…


貴方が産んだんじゃない!!


『なに?その目…文句ありそうね…』



『…そんなに…私が嫌いなら産まなかったら良かったじゃない!!何で私を産んだのよ!』



私が出来た理由は知っていた。


だけど、それは母親が悪い。


お金がない世界で生きていた母親の家族は援助交際というものとして両親に自分を売られ、知らず知らずの人と出来てしまい、父親の分からない子供が私だ。



なら…何で見ず知らずの人と出来てしまった子を産むのよ…


そんなの貴方が悪いじゃない!!


『…この糞餓鬼…!』


開きから包丁を取り出し、刃先を私に向けた。


包丁を持っていた母親の顔は今でも目に焼き付いている。



多分…一生忘れる事はないだろう


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