何千年の夏休み


9歳の時の記憶はまだ残っている。


薄暗い森の中、私はある人から逃げていた。



…母親だ


私の家族は凄く複雑だった。


再婚をし子供の持つ私の母親。自分の子でもない奴と同居しなければならない嫌な現状を持つ父親は怒りを毎日毎日母親にぶつけていた。…いわゆるDVってやつだ。母親は旦那からの八つ当たりに私を嫌い、私へ怒りをぶつけた。私の家族は皆暴力で怒りを収めている。


兄も居たけど、人気者の兄はその時親戚の人に預かってもらっていた為、その場には居なかった。



痣だらけの身体。


こんな体ではもう学校に行けない。


学校に行くと児童相談所の問題で、施設へ保護されるのがオチだろう。それでも良かったのかとは思うけれど、どうしても9歳にして友達と離れるのは嫌だった。小学校に入って初めての友達だ。幼稚園は家族の都合で通えなかったし、9歳にして施設へ入るとなると18歳まで施設を卒業出来ないだろう。


それが何より嫌だった。


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