ナルシー少年☆蛍斗くん



「幸せになりたかったの。蛍斗のこと愛してなくても。」


せっかく涙も止まりかけていたのにまたジワッと溜まって。

苦しそうに眉ねを寄せる亜杜は辛そうだ。

桃汰くんもなんとも言えない顔で亜杜を見ていた。


「もう、つらい恋なんてしたくなかった…」


切実な思いに私まで胸が痛くなる。

"亜杜、つらい恋してたの?"

そう聞きたかったのだが今は聞かないほうがいいような気がした。



「全部見透かされちゃったのかも。それに」


それに?

「蛍斗には大事に思ってる人がいるから。」




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