ナルシー少年☆蛍斗くん
「亜杜ね、初めて会った時から桃汰のこと大嫌いだったの。」
そう切り出し、亜杜は静かに語り始めた。
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亜杜が小学校の2年生になったばかりの頃、桃汰が近所に引っ越してきた。
亜杜のママと桃汰のママはママ友。
私達がお腹に居るときに病院で知り合って、妊婦同士意気投合したみたい。
で、その頃からずっと親友。
あんまりにも仲良しで、無理してお家も近くに引っ越してきたって話だ。
亜杜も何度かママに付いて桃汰のママ、幸代(サチヨ)さんとランチに行ったりしたこともある。
だけど私達が初めて会ったのは小学校2年生だった。
桃汰は小さい頃から気まぐれでやんちゃな悪戯っ子だったから連れてきたくてもできなかったそうだ。
幸代さんから連絡があって5分後。
玄関先でチャイムを連打して、私達家族の反応を楽しんでいる桃汰がいた。
幸代さんの話では引っ越しの挨拶をするはずなんだけど、そのような気配は見えない。
初めて見た桃汰はかたえくぼが可愛くて、弦月形の瞳が魅力的に見えた。
新しい”友達”に心躍らせたのを今でも覚えている。
まさかあんなヤツだなんて思いもしなかった・・・
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