ナルシー少年☆蛍斗くん



昼休みまでの時間がとてつもなく永く感じた。
昼ご飯もそこそこに教室を出ようとする。


「また行くの?」


智美が妬ましそうに見てくる。


「えッ!?あっ、いや・・・3組の子と仲良くなってさぁ、遊びに行くって約束したんだぁ。」


それは本当だ。


「誰?」


浮気を追及される夫のようだ。


「水谷桃汰・・・くん。」

「本当?」

「ホント・・・」

「なんだぁ、そうなの。早く言ってよ。行ってらっしゃい。」


にっこりと手を振る智美。

ばれたら怖いなぁ。



私も笑顔が引き攣りながらも手を振り、教室を後にする。


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