ナルシー少年☆蛍斗くん


急いで蛍斗のいる教室へ向かう。



まず奴が何処にいるのかわからなかった。
聞くのは怖かったので、教室を万遍(マンベン)なく見回す。


よく見ると4組のみんなに囲まれて昼ご飯を食べていた。

囲まれすぎて異様だ。

蛍斗はというと、そんな中でもおしゃべりをしながらニコニコと食べている。

奴の精神力を尊敬するわ。


どうしよう。
奴を呼ぶには相当な勇気が必要のようだ。

とりあえず呼ばないと、何もはじまらない。



「け、け、けいとッ!!!!」

げッ・・・
思わず叫んでしまったし。

じろっ
4組の人達が一斉に見てくる。
ほとんどの人が睨んでいるような・・・


「蛍斗くんになんかよう?」


ちょっと恐そうな女の子が出てきた。


「用事。蛍斗を呼んでくれない?」


私も負けじとそう言ったが、最後の方は声が裏返ってしまう。


教室の中ではみんながヒソヒソとしゃべっている。

蛍斗くんを呼び捨てだし!!
蛍斗くんの何なの?
アイツ誰。

そんな声がほとんどだ。



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