ナルシー少年☆蛍斗くん
「は!?・・・何が知らない?」
奴をジロリと見据える。
「出てこい、馬鹿蛍斗!!」
私は大きな声でそう言い、ずんずんと教室に入って行く。
みんなポカンとした顔で見ていた。
突然の出来事に動く事すら出来ずにいる。
私を正面で見た恐そうな女の子は恐怖で顔が歪んでいた。
きっと凄い恐い顔になっているに違いない。
治まりそうにない怒りと、なんともいえないキリキリとした胸の痛みを堪(コラ)えているのだから。
ずっと一緒にいた幼なじみなのにこんな扱い受けるなんて思ってもいなかったよ。
4組の人達を蹴散らしながら奴の元へ突き進んだ。
「けッ、いッ、とーー」
よっぽど私の声が煩かったのだろう。
騒ぎを聞き付けて3組の人達がやってくる。
中には桃汰くんの姿もあった。
興味津々な顔でこっちを見ている。
止める気は見るからになさそうだ。
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