ナルシー少年☆蛍斗くん

矢恵をタヌキと呼ぶ〜ライオン〜



「お前、すげぇよ。」

「やるなぁ。すげぇ顔だったぜ!!」

「お前が、この学校の王者だ!!」



『ライオン』


次の日から、3組の男子達にそう呼ばれるようになった。
家ではタヌキで学校ではライオンかぁ。

彼等はわざわざ1組にやってきては、称賛?の声をかける。当然、桃汰くんもやってきた。
4組の人達は私を怖がって避けているようだ。

もう誰ともしゃべりたくなくて机に顔を伏せる。




「矢恵ぇ。どうしたの???」

肩をつんつんと突つきながら、境 美春(サカイ ミハル)が話しかけてきた。

小学生の頃からの付き合いで、心許せる友達だ。


「昨日午後の授業に来なかったことともしかして関係ある?」

美春の可愛い顔と、優しい声を聞いて、なにもかも話したくなる。

智美も気になっているようでチラチラ見ていた。

いずれは美春や智美まで噂が届くだろう。

その前に絶対に話しておいたほうがいいよね。



私は二人に寄るように言い、近づいたところでことのすべてを話した。




< 31 / 155 >

この作品をシェア

pagetop