ナルシー少年☆蛍斗くん
矢恵をタヌキと呼ぶ〜ライオン〜
「お前、すげぇよ。」
「やるなぁ。すげぇ顔だったぜ!!」
「お前が、この学校の王者だ!!」
『ライオン』
次の日から、3組の男子達にそう呼ばれるようになった。
家ではタヌキで学校ではライオンかぁ。
彼等はわざわざ1組にやってきては、称賛?の声をかける。当然、桃汰くんもやってきた。
4組の人達は私を怖がって避けているようだ。
もう誰ともしゃべりたくなくて机に顔を伏せる。
「矢恵ぇ。どうしたの???」
肩をつんつんと突つきながら、境 美春(サカイ ミハル)が話しかけてきた。
小学生の頃からの付き合いで、心許せる友達だ。
「昨日午後の授業に来なかったことともしかして関係ある?」
美春の可愛い顔と、優しい声を聞いて、なにもかも話したくなる。
智美も気になっているようでチラチラ見ていた。
いずれは美春や智美まで噂が届くだろう。
その前に絶対に話しておいたほうがいいよね。
私は二人に寄るように言い、近づいたところでことのすべてを話した。
.