心詩 ー モウイチド、モドレルノナラ ー
恋に気付く
この恋をはっきりと自覚したのが
小6の時。
あることを耳にしたときだった。
「ねぇ、永遠(トワ)ー?」
「んー?」
「またカップル増えたらしいよ?」
休み時間。
いつものように友達の深紅(ミク)が私の席に語りに来る。
「へぇ―…」
適当に相槌を打っておいた。
だってここんとここんな話題ばっか。
いい加減飽き飽きしてきてたし、どうせ
私には関係ない人だからと流していた。
…あいつの名前が出てくるまで。
「えっとねー…確か、桃香(モモカ)と…」
桃香…あぁ。
また彼氏変えたのかよ…。
「――――――…雅、だって」
「!?」
は……?
深紅の口から出てきた意外な名前に思わず動きを止める。
……嘘でしょ。
なんで雅……?
いきなり動きを止めた私を不思議に思ったのか深紅が私の顔を覗き込む。
「どしたの?永遠」
「う…ううん。なんでもない」
無理やり笑顔を作る。