心詩 ー モウイチド、モドレルノナラ ー





――――――……

――――…



雅が話し終えた時、私はいつの間にか自分が泣いていたことに気づいた。


まだ熱があってぼーっとする頭で雅がどうやったら哀しみから解放されるか必死に考える。






………雅の話はこうだった。


朝は渋々だったけど、琉憂兄ちゃんがいたから学校にいった。

でも、永遠がいないから暇だし落ち着かないしで、むしゃくしゃしてた。

そしたら…。



そしたら、今度授業参観があるということで、作文を書くことになった。



お題は“家族”



……なんとか、なんとか大丈夫だったんだ。その時点では。


だって大切な、大好きな永遠がいる。そして琉憂兄ちゃん、永遠のお父さんもお母さんも。


この人達が、僕にとって一番大切な家族なんだ。



けど……。


『あれ?雅くんって家族いたっけ?』

『お母さん、いないんじゃないの?』


悪意はないだろう。けれど、率直な言葉が心に突き刺さる。


でも、なんとかそこは我慢出来たんだ。


『それが何。……永遠がいるから』


冷たく言い返すと、みんなは驚いた顔をした後笑い出した。


『永遠ちゃん、今日いないじゃん』

『雅くんといるの嫌だったりして!』












―――…そこから、よく覚えてない。



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