【短編集】闇に潜む影
その日の夜。
ただ何もせずにぼーっとテレビを見続けていると、玄関チャイムが鳴り響いた。
時間を確認する。
夜8時を回っていた。
「・・・もしかして」
私は少しの期待を胸に、玄関へと急ぐ。
もしかしたら、「彼」かもしれない。
「別れたい」なんて言ってたけど、
本当はそうじゃないって、言いに来たのかもしれない。
「子どもがいると”しにくい”」なんて、そんな理由で私を振るなんて。
「彼」は私を愛しているし、私は「彼」を愛している。
何て言って許してあげようか。
優しく、甘く、大好きな彼の為に。
今夜は家に泊まっていくかもしれない。
ちゃんと”あれ”は、残ってたっけ。
でも彼が望むなら、別に今日なら大丈夫かもしれない。
そんなことを考えてわくわくしながら、ドアを開けた。
・・・が、ドアを開けると、そこには見知らぬ男たちが数人、
私を睨み付けるように立っているだけだった。