君が笑える明日
青年に太一と呼ばれた男はまだ若く、青年と同い年かそれより若いくらいに見える。
青年よりも長いうねりのある茶髪に、幼いような愛嬌のある顔付き。今は、その頬が赤く腫れているが。

「よぉ、ヒロ」

太一はへらっと力なく笑って頬を押さえた。
太一にヒロと呼ばれた青年は呆れたように大きなため息をつくと、

「…とりあえず、飲むか?」

持っていたコンビニの袋から缶ビールを取り出してゆらした。
太一はニッと嬉しそうに笑った。

二人は同じマンションに入っていった。
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