涙のあしあと。







「……き」


「ゆき!」




「…え?」




「もーどうしたのよーさっきからぼぉってしちゃって」





「あっごめん」





そう なんかさっきからぼぅっとする






たぶん 会議室で目があったとき以降だとおもう。






これって、…まさか?






「恋?!」





とにいったのは
小百だった。





「恋の病ってやつじゃない?!ちょっと誰よ~」





「ちがうよ~」





と いいつつ その線をちょっと疑ってたんだけど。笑







私が恋…?


まさかね。




できるわけないもん、もう。






昔みたいには なれないのかな。







PM7時―――――






「ゆき~今日晩御飯どうする?どっかで食べる?」





「うーん、今日は久しぶりに家ゴハンにしようかなっ。最近全然料理してないし」





合コンがない日はだいたい小百と近場のレストランで晩御飯をすます。




一人暮らしを始めたころは
どんなに忙しくても つくってたのに。





「だね~花嫁修行しなきゃ」





と小百は笑いながら更衣室を出た。






(花嫁かあ……。)







「いらっしゃいませ」





私はマンションの近くにあるスーパーに来ていた。





ここのスーパーは割と高級で
安っぽいトランペットのBGMなどは流れていない。





ステータス気分っていうやつ。




(今日はカニとトマトクリームのパスタにしようかな?)




そして私は 鮮魚コーナーに行き カニを見ていた。




そのとき 視界にはいってきた人をみて


                                          
―――――私は息をとめた。



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