ラヴァーズ・インザ・ダストボックス
それが一年前の話。

今、僕の隣に彼女は居ない。


こうやって、改めて物語にしてみると馬鹿らしい話だと思う。

誰かに話してみても、誰もが笑うだろうと思う。

だけど、僕は知っている。

一年前のあの時、あの場所に、いたずら好きな天使が舞い降りて来ていたことを。

彼女の手にそっと黒いリボルバーを握らせて、その銃口から放たれた弾丸は、確かに僕を打ち抜いたんだ。


あれ以来、僕の心には小さな穴が空いている。

それを埋めることが出来るのは、きっと彼女だけなのだと思う。


そんなどうしようもない想いを押し殺して。


そして、


僕はまた朝を向かえる。








『天使のリボルバー』

        終
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