この世界は残酷なほど美しい
僕の作戦にまんまと引っかかったね。
わざとそう言ったんだよ。
蓮が本当のことを言ってくれるんじゃないかって。
なぁ、蓮。
本当のこと言ってよ。
僕は真っ直ぐと蓮を見る。
すると蓮は下を向き、肩を震わせていた。
なんでもっと早く言ってくれなかったんだ。
そうしたら僕が少ししか出来ないかもしれないけど助けてあげたのに。
「……蓮?」
「俺は……まだ花音が好きだよ…」
知ってたよ。
蓮が花音のこと大好きだって。
「好きなら…何であんなこと言ったんだよ…」
「不安だったんだ。花音は元カレのこと好きだったみたいだし…それに元カレに『別れて欲しい』なんて言われたらさ…何か俺…邪魔じゃないかなって。もしかしたら花音は元カレと付き合った方が幸せになるんじゃないかって…」
僕は蓮のベッドの上に座り、蓮の肩を叩いた。
蓮は涙を流しながら僕を見つめる。
蓮も僕と同じだった。
青虫のままだった。