この世界は残酷なほど美しい


「ごめん!俺!!」



すると蓮は枕に顔を埋める。



「俺すげー間違ってた!!花音のことすげー好きなのに…!!バカだな、俺…」



「まだ間に合うと思うけど?花音に連絡してみたら?てか、花音は蓮からの連絡待ってると思うなぁ」



僕はベッドから下りて、本棚へと足を運んだ。
数々の漫画本が番号順に並べられている。
そこには父さんの写真集もあった。
蓮も父さんの写真を気に入ってくれている。



「なぁ、蓮。父さんの写真集でさ…Memoryっていうタイトルの写真集知ってるか?」



蓮は枕から顔を出し、こちらを見た。




「さぁ?聞いたことないけど。流星の父さんの写真集なら全部そこにあるはずだけど?無かったら出版されてない写真集かもな」




「…だよな。」




爺ちゃんが俺に渡したあの写真集は一体どんな意図で作られたのだろう。
世界には出回っていないとしたら、父さんは何のためにあれを作ったのだろう。





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