この世界は残酷なほど美しい


やっぱり僕にはまだまだ父さんが何を考えているのか分からない。



「蓮…僕さ、奈緒子に告白されたんだ。」




「え?まじで?委員長、流星のこと好きだったんだ?」



蓮は体を起こし「よっ」と言ってベッドから飛び下りた。
そして床に座り、机の上に置いてあったポテトチップスを一口摘まむ。
僕もポテトチップスを食べた。


「で?断ったわけ?」



「…断ってはないよ。なんか言うタイミングじゃなかったし。それに奈緒子は僕の心を読める特殊な能力があると思うんだ」



「なんだそれ。まぁ確かに、この前委員長に聞かれたことがあるんだよ。流星は青虫、サナギ、蝶々だったらどれに値するかって」




蓮の言葉に頭がついていけない。
奈緒子はどうして蓮にそんなことを聞いたのだろう。

奈緒子の考えていることが一向に分からないままだ。




「え…なにそれ」




「さぁ?俺もよく分かんなかったからとりあえず青虫って答えておいた」




そう蓮は笑っていた。
お世辞でもいいからサナギとでも答えておいてくれよ。




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