この世界は残酷なほど美しい
マズイ。
会話を聞いていたのがバレてしまったじゃないか。
何で声を出してしまったのだろう。
後悔の波が押し寄せる。
この状況なら「どうしたの?」って聞かなくちゃいけないじゃないか。
目があったのに無視するのは悪いし…
色々考えている間、二人の女の子が僕に近づいてきた。
えっとどこかで見たことある顔だな。
だけど名前までは分からない。聞くのも嫌だし…。
だから今だけはAとBにしよう。
「あっ流星くん!ちょっと聞いてよ。ヒドイんだよ!」
ポニーテールをしたAが僕に話しかける。
彼女は何かに怒っているようだ。
すると隣にいた眼鏡をはめてBもAに便乗してきた。
「本当に最低なんだから!奈緒子が可哀想だよ」
「……えっと、誰かに何か嫌なことされたの?」
AとBの話の内容だけじゃ読み取れない。
僕は首を傾げて二人に聞いた。奈緒子は唇を噛んで何も言葉を発しなかった。
「4組の野中くん、奈緒子と付き合ってたのに浮気してたの!しかもずっと前から!最低じゃない?」
……4組の野中…
あぁ、僕のことをライバル視してるあの野中大和(のなか やまと)くんね。