この世界は残酷なほど美しい


僕はあまり人の名前を覚えるのが得意ではない。
だけど野中大和だけは覚えていた。

そう、それは…昔々あるところに…ってそんな長くはならないけれど、簡単に言ってしまえば野中くんは僕のことが嫌いみたいだ。

廊下ですれ違えば睨まれて、髪型をマネしてきたり、僕に告白してきた女の子と付き合ってみたり。

何故か僕は嫌われている。

嫌いなら嫌いで構わないのに、僕に関わらないでもらいたいのに、野中くんはそれをやめてくれない。



「野中くんと奈緒子って付き合ってたんだ?初めて聞いた」




僕は初めて耳にする事実に驚きを隠せなかった。
野中くんと奈緒子…なんか不釣り合いな気がするのは僕だけだろうか。

野中くんは蓮の次くらいに目立つ存在だ。
明るく抜けた髪の毛に、耳には幾つものピアス。
太いピアスを見るたびに痛いと思ってしまう。
細身の体に切れ長の目。

社交的な性格なのか、男女問わず人気者だと思う。


僕とは真逆な性格だけれど。


高校に入学したばかりに僕は野中くんに「経験人数何人?」と聞かれた。
僕はそんな質問に幻滅してしまい真顔で「頭大丈夫?」と言ってしまった。


きっとこれが原因だと自負している。



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