この世界は残酷なほど美しい
成功する、失敗する。
そんな後付けされた結果など求めていなかった。
誰かに恋をして、見てもらいたくて必死になる。
そんな姿を見て欲しいだけだった。
結果などどうでもいい。
好きになってもらう過程が自分を強くさせるのだ。
そう僕は自分に強く言った。
「…アイツ、そんなこと」
薄暗い中でも彼が赤面しているのは分かった。
そして彼も莉子が好きなんだと思った。
「僕は……あなたたちにまた逢って欲しいと思ってます」
強がりだなんて思わないでよ。これは本当の気持ちなのだから。
「キミはさ、俺のこと憎いとかって思わないの?」
「え…?」
いきなりこう言った彼に戸惑いを隠せないでいた。
彼を見ると僕を離さないようにじっと見ていた。
だから体が硬直してしまい、僕も彼の目線から逸らせないでいた。
「キミは莉子が好きなんでしょ?だから俺のこと邪魔なのかなって思って。俺が海外に行ってる間、莉子を自分の物にしちゃおう!って思ってるんじゃないかなーって」