この世界は残酷なほど美しい
どうして莉子が…。
さっき「バイバイ」と言ったのに。
そして今日知り合ったばかりなのに。
無性に莉子に逢いたくなった。
これは…どういうことですか?
「…流星…くん?」
「あっ、ごめん!何でも無いよ…考え事してたんだ。」
「……でも、顔真っ赤だよ?」
奈緒子はこちらをじっと見つめる。
やめて、僕を見ないで。
気づかれたくない。
僕がまさか人を好きになるなんて…
「…流星くん。恋してる顔になってるよ?」
ドクンと大きな鼓動が鳴った。それは体を徐々に赤くさせて僕を蝕んでいく。
早く阻止したいのになかなか出来なくて、次第には口が乾いていく。
奈緒子はそんな僕の異常な姿を目の当たりにした。
そしてどこか寂しそうに奈緒子は僕に言う。
「人を好きになるっていうことは自分にとってとてもプラスになることなの。だから恥ずかしがらなくていいんだよ」