パパはアイドル♪vol.２ ～奈桜ｸﾝの多忙なｵｼｺﾞﾄ～

「パパ、またパンツ穿いてない！」



奈桜が電話に出るなりすぐ部屋を出ていた桜がいつの間にかドアの所に立っていた。



「パパは裸族だって言ってるだろ？」



桜を見るなり奈桜の顔はいつもの柔らかい表情に戻る。
『もう・・・』と言うと、ちょっとおませな顔で、側に落とされているパンツを奈桜に渡す。



「せっかく用意してたのに。きっとお風呂から出たらパンツ穿かないから、わざとベットの上に置いてたんだよ」



「ごめん。ごめん。いつか、穿くよ。あ、朝ご飯の用意！すぐするからな！」



慌ててパンツを掴み、キッチンへ向かう。




「・・・ん？え？桜、作ってくれたの？」



テーブルには美味しそうにたっぷりとマーガリンが塗られたトーストと、レタスとトマトのサラダ、コーンスープが並べられている。



「今、おいしーい！紅茶も淹れるからね。優子さんに淹れ方、習ったから。葉っぱももらったんだよ」



クリッとした大きな目で見つめながら娘にそんな事を言われたら、『パパ』はもう一生嫁に出したくないと思ってしまう。



「一生、パパの側にいろ」



今の瞬間、記事の事は忘れていた。