パパはアイドル♪vol.2 ~奈桜クンの多忙なオシゴト~
第10章 いざなう



~望め!~



携帯電話が鳴っている。
鳴っている・・・とは思うけれど、それが夢の中なのか現実なのか分からない。
夢の中といっても、実際、夢を見ていないのでそれすらよく分からない。
奈桜の疲れ切った体は、目を開ける事を強力に拒む。
『放っておこう』と、思考さえも体の言いなりになる。



切れては鳴り・・・、切れては鳴り・・・
何度目かで、とうとう瞼が少し開いた。
重い体をゆっくり起こし、ベッドの下に落ちている携帯を拾う。
服は昨日のまま。
よほど疲れていたのか桜の寝顔を見た後、何とか自分の部屋に戻るとそのまま倒れるように寝てしまっていた。




「・・・はい」



寝ぼけた声で電話に出る。

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