パパはアイドル♪vol.2 ~奈桜クンの多忙なオシゴト~
「祝福して。なんて言わない。祝福して欲しくないから」



笑って言うと、『お疲れさまでした』と、まるで何事もなかったかのように立ち去って行った。
梓の香りがまだ残っている。
奈桜はまだ気持ちを整理出来ない。
どう受け止めればいいのか。
もう終わりなのか。
終わってしまったのか。
どうにかなるのか。



「何でだよ・・・」



ここに誰もいなかったら、泣いているかもしれない。
心が折れるというより、根こそぎ引っこ抜かれた気がした。



「何でこうなるんだよ!」



梓の心も、奈桜の心も、叫んでいた。

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