優しく降る恋
赤色の傘に入る二人の姿がじゃれあう。見たことない二人は、こっちのことなんて面白いくらい何も気付かずゆっくり歩いていく。
こうゆうの、何て言えばいい?
自分が馬鹿過ぎて、声も出ない。
『...あいつら、俺と同中で友達なんだよね』
「.......っ」
『だから、まぁ今更言えないし...壊す気なんてこれっぽっちもないしね。
こうやって教室から傘を差して見てるのにばれない雨の日だけ慰めみたいに眺めるんだ』
初めて話した私に、こんなぺらぺら話しちゃうくらいほんとは苦しくて。
見慣れない笑顔が、瞬きをする前泣き顔に見えた。
「...白木くん、」
『...うん、』
「.......っ白木くん」
『...うん、なに?』
私、いつも雨の日窓の外を見る
白木くんのこと好きなんだよ。