優しく降る恋
さっきまで、あんなに緊張してどもってた癖に今度は普通に、それこそ告白じゃないみたいだった。
『.......そうなの?』
「...うん、そうなの」
ぴちゃぴちゃ。
空からの雫が、何もかも全てを濡らしていく。
『.......』
「...私も、白木くんの恋を壊す気なんかないよ」
『.......』
「でもさ、ちっとも後悔なんかしてないから言っとくね」
『...うん』
「雨空ばかり、見てて。
女々しいってちゃんと笑えなくて。
今にも泣きそうな白木くんが大好き」
『...そりゃ、また変わった趣味だ』
今度、見えたのは。
灰色だけを背景にした照れ臭そうに...だけど、泣き笑いする君。
私が、恋した男の子は。
雨の日が好きにも嫌いにもなれない、私と同じ一方通行な片思いをしていた。