俺様王子の秘密
「よっ! あっ、美保ちゃん達浴衣? いいねぇ」
そう言いながらあたし達に近づいてきた、宏平クンと悠斗。
浴衣は着ないのか、2人ともTシャツにジーパンって言う、ラフな格好。
……やっぱ、浴衣って浮いてない!?
悠斗をちらっと見ると、あたしのことをじーっと見てる。
な、なんで!?
そして、近づいてきた悠斗。なんか、嫌な予感がするんですが……。
「な、なに?」
あたしの顔を覗き込む悠斗。
そして――……
「似合うじゃん、浴衣」
……えっ?
「……あり、がとう」
悠斗の顔を見るのが恥ずかしくて、つい伏せてしまった目。
いきなり言うから、心臓バクバクしてる……!
「じゃ、行くか」
そう言って、手をぎゅっと握ってきた悠斗。
そして、なぜか手を握り返してしまったあたし。
最近あたしは――、どうかしてます……。