春 ~風が吹いたら~
何度振り向いてみても、後ろから敦也が来ることも、もちろんなかった。
和羽は、欠席だった。
全校集会で敦也の訃報が伝えられても、それでも受け入れたくはなかった。
何もきこえてこない……。
体だけが、いつもどおりに動いているだけ。
潤悟は、完全に抜け殻だった。
『西野くん、ちょっと…。』
担任の中西(ナカニシ)先生が呼び止めても、きこえなかった。
『西野くん!ちょっといい?』
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