春 ~風が吹いたら~
まだこんな風に言ってくれるなんて、思わなかったから。
『…あり…がと……でも…今は…帰れないよ…。バレたら…困るから……。』
『だよな……!ここ、いいとこだろ?』
『う…ん……でも…広すぎる…よ…!』
あたしが笑うと、
『良かった…華恋とまた笑いあえて。あ…!もう疲れただろ?俺…今日だけここに泊まるから。早く……治せよ!』
ほっとしたような表情を見せた。
『う…ん、仁…呼んで……くれる?』