ボーイフレンド
何杯目かのビールジョッキをあけた時、おもむろに徹ちゃんが口を開いた。
「里歩子さんは貴重な友達だと思ってて」
「え……あ、うん!」
あたしはこの時、ようやく安心することができた。
やっぱり徹ちゃんはあたしのこと、友達と思ってくれてる。
あたしにとっても徹ちゃんは貴重な友達だから、恋愛感情なんかでごちゃごちゃさせてしまいたくなかった。
だからうれしい。
徹ちゃんがあたしを“貴重な友達”に認定してくれて、すごくうれしい!
「女の子として意見を聞きたいんだけど」
「うんうん。何でも聞いて!」
あたしは急にうれしくなって、徹ちゃんの方に体を向けた。

